このアンサーは主観で占められています。パンダ(白黒熊)しか見たことのない人間がクマ全体を語っているようなレベルなので、たっぷりと割り引いて読んでください。

住んでいる地域で行われるのであれば、ブロック大会を見に行くのが一番いいでしょう。全国大会、春季全国大会に次ぐ実質ナンバー3の大会であり、舞台の内容が粒ぞろいなのでハズレ感がありません。

↑せっかく作ったので使い回しまくっているチャート図

ブロックは上記のような区分けで全国に八つ存在する
しかし、ブロック大会は、
- ほとんどの場合、開催場所が自宅からすごく遠い
- 大会数が限られているので、見に行く側が都合を合わせる必要がある
- 事前に整理券を入手しなければならないことがある
といった敷居の高さがあり、気楽な気持ちで見に行くのが結構難しいです。
したがって、地区大会の最終日に行くことをおすすめします。理由は下記の通り。
- 大会数が多いため、地区にこだわりがないなら行く日を自由に選べる
- 上位大会と比べれば席に余裕があり、好きなところで見られる
- 最終日は強豪校が並ぶ印象があり、地区大会といえどもレベルが高い
- たどたどしい舞台もあるが、それも味
- 自分と縁のある高校を見つけやすく(自宅近くの高校など)、感情移入できる
- 審査結果発表まで会場に残れば、劇的な地区代表校発表シーンを目の当たりにできる
- 地元の大会なら行き帰りがめっちゃ楽
- 上演校が二、三校しかないこともあり、時間を取られない
私自身、高校演劇を見始めてから地元で行われる地区大会の最終日だけは必ず行っています。
回答は以上で終わりですが、せっかくなので各大会の特徴を紹介しておきましょう。
カオスなところが面白い地区大会
地区大会は場の空気感として、真冬の寒さと真夏の暑さが混在しているような大会です。
まず大会初日の朝一。大きな会場だと、劇場内の薄い人口密度といろいろな意味で冷たい空気が日本戦以外のプレミア12[1]を感じさせます。
わずかな観客たちがギャグシーンを完全スルーする様を見ていると、「もっと客がいれば絶対笑いが起きているのになあ。観客側にも多様性って必要だなあ」と思います。

ところが強豪校が集まりやすい大会最終日には客席が人であふれかえり、初日の朝一はなんだったのかというほどの熱気に包まれるのです。

参加校の序列にメリハリがついているのも大きな特徴。県大会以降に出てくる学校は、皆、審査に通っているので一定のレベルに達していますが、地区大会は力の差に幅があるように思います。
- 毎年のように県大会に出る有名校
- 1ほどではないものの、よく県大会に出る強豪校
――――なかなか超えられないライン――――
- 毎年参加しているものの、県大会には出られない学校
- 部員数不足などで県大会はおろか、地区大会にすら出ないこともある学校
それゆえに、最優秀賞が与えられる学校はだいたい決まっていますが、まれに「去年出てた?」といいたくなる4の演劇部が素晴らしい舞台を演じたり、3の演劇部が突如覚醒し、強豪校を食うような芝居を披露することもあり、その場合、「あれ? アップセット(番狂わせ)起きるの?」と審査発表時のドキドキ感はいつになく増大します。
運良くそんな大会を見られれば、去年、部員不足で出られなかった二年生が勧誘を頑張ったのか、あるいは一年生が廃部同然の部を立て直して出てきたのか、それとも演劇に造詣が深い先生が顧問になって成長したのか、そういったドラマを勝手に想像して魅了され、よし、また来年も来ようとなるかもしれません。

また、大番狂わせはなくても地区代表枠の数より強豪校の数が多ければ、レベルの高い学校が必ず一校以上は涙を飲むことになるわけで、地区大会はなんだかんだで毎年ドラマが起きるようになっています。
カオスで面白い、それが地区大会です。
「行ってもいいけど、具体的にどんな地区があるの?」という方は、『あなたの町の高校演劇 47都道府県 イベント&全地区一覧表』で確認してください。
一定のレベルが約束される県大会
県大会は地区代表の集まりなので単純にレベルが高いですし、居住している都道府県に詳しいのであれば、地区大会同様、すべての出場校に対してまんべんなく親近感が湧きやすいという魅力もあります。

ただ、個人的には一番見に行くモチベーションが上がらない大会です。なぜかといいますと、地区大会で「いいな」と思った学校が出ないのなら、「だったら行かなくていいか」となるし、出るとしても、地区大会から間を置かずに開催されるため、「この間、見たばっかだしなあ」となるからです。地区大会をスルーしていた場合、あるいは見に行った地区じゃないところに有名な学校が存在し、そこが出場するなら楽しめる大会でしょう。
ちなみに神奈川の場合、県大会でだけ全出場校のインタビューを載せた『あかいくつ』というチラシが配布されるんですよ。

地区大会から先に進むと配布物が増えてくるので、そういったものを集めたい人にとっても県大会は魅力的といえるかもしれません。
全国大会出場校が必ず含まれるブロック大会
ブロック大会までくるとどの学校もうまく、レベルの差を感じません。県大会までならどの学校が最優秀賞かある程度絞り込めますが、ブロック大会だとまったくわからないです。また、大会初日の朝一とか関係なく、場内の雰囲気がいいですね。満員だし、期待値が高い故に最初から客が"温まっている"状態なので、演技、演出に対する反応が豊かで早い!

それと、高校演劇に限らない芝居好きの一般人の割合が増えるからでしょうけど、県大会まではそこはかとなく感じる「関係者だけで見ている感」が少ないのも特徴。よって、内輪だけの空気が苦手という人にはいいかもしれません。
他地域のブロック大会だとどうなのかわかりませんが、関東ブロック大会の場合、演劇学科がある学校の関係者がパンフレットを配布していたり、晩成書房の人たちが本を販売していたりと、お祭り感があって楽しいです。

最初の方で少し触れましたが、ブロック大会は都道府県の持ち回りで開催されているため、自宅から県境を二つ、三つ越えないと会場までたどり着かないこともあります。だけどもし、自分の予定が空いている日に自宅近くの会場で行われるのであれば、見逃すにはあまりにももったいない大会です。是非、足を運んでみてください。
そのほかの大会については……
以下へどうぞ!
最終更新:
関連ページ