確かに、高校演劇関連イベントの具体的な予定は公演日直前ぐらいまで発表されないこともあります。
では、なぜそこまで発表が遅くなることがあるのでしょうか。関係者の方に伺ったところ、予定自体はだいぶ前から(しかも、ざっくりとしたものなら数年分)決まっているそうです。しかし、実際にイベントを行うとなるとしかるべきところに許可を得る必要があり、そのやりとりに時間がかかる上、許可が出るまでは正式な形で発表できないとのことでした。
ただ、県大会より大きなイベントであればネットのどこにも予定が書かれていないわけではなく、どこかしらで公にされているので、情報元を見つけられれば目安はつけられるでしょう。
以下、参考までに私から見た情報検索の難易度です。
- 検索難易度激高
- 春季大会など、地区の演劇連盟が主催する独自イベント(情報を持つ関係者の厚意頼みで、タイムテーブルまで出てきたら拝んでいいレベル)
- 検索難易度高
- 地区大会
(タイムテーブルを含めて詳細な情報が出る地域と日程すら出てこない地域がある)
- 検索難易度中
- 県大会
(文化連盟もしくは演劇連盟のサイトがない地域での情報を探すのは少し苦労するが、開催日までにはネットのどこかにアップされるはず。問題はタイムテーブルで、最後まで出ないか、出るとしても開催日直前の場合もある)
自主公演
(演劇部もしくは部員がアカウントを持っていたらツイッターで詳細な情報が出る可能性が高い。持っていなかったら難易度は超激高に跳ね上がる)
- 検索難易度低
- 総合文化祭優秀校東京公演、ブロック大会、全国大会(春含む)、自治体やホールが主催するイベント
具体的な大会スケジュールの調べ方
ではどうやって(地区)大会に関する情報を調べればいいのか。以下、並べてみました。
どんな場合におすすめ?
ブロック大会、全国大会の正確で詳細な情報を知りたいとき。
ブロック大会、全国大会(春季含む)のスケジュールがほぼ100パーセント掲載されます。掲載時期は必ずしも早くありませんが、正確性の点でもっとも頼りになる情報源といっていいでしょう。
Feed[1]を出力しているのでfeedlyやslackなどで購読すれば、いちいちサイトにアクセスしなくても更新情報を受け取れます。

各都道府県の高等学校演劇連盟が運営するウェブサイトをチェック
- 検索キーワード例『都道府県名+演劇連盟』 or 当サイトの『高校演劇関連リンク』にアクセス
- 情報掲載確率
- 公開スピード
- 情報の詳細度
どんな場合におすすめ?
地区大会や県大会の詳細な情報を知りたいとき。
必ず存在するわけではないのですが、各都道府県にある演劇連盟のサイトも要チェック。地区大会および県大会の詳細なタイムテーブルが掲載される可能性があります。いつ情報が出てくるかは運営者次第なので、開催日ぎりぎりまで確認したいですね。

Googleで検索
- 検索キーワード例『西暦 or 年号+都道府県名+高校演劇』
- 情報掲載確率
- 公開スピード
- 情報の詳細度
どんな場合におすすめ?
演劇連盟のサイトが存在しない地域での大会情報を知りたいとき。
役所、学校、地元のマスメディア、劇場、あるいは演劇部顧問、高校演劇ファンの個人サイトが発信するスケジュール情報が引っかかる可能性があります。

Googleでの検索結果
Googleで最新の大会情報を見つけやすくするコツ
なかなか情報が見つからないときに、私が実際に使っている方法です。
大会の正式名称を、開催回数を含める形で検索する
たとえば2020年に行われる九州ブロック大会の情報を探したいのであれば、「2020 九州 ブロック大会 高校演劇」といった複合キーワードではなく、
という正式名称だけで検索してみましょう。個人的にこの方法は非常に有効だと思っています。都道府県大会とブロック大会の正式名称と開催回数は、
全国高等学校演劇協議会のサイトにあるこのページから導き出せます(開催回数は2018年時点のものなので足す必要あり)。
キーワードを引用符(")で囲む
キーワードを、
とそのまま入力するよりも、
と引用符でくくった方がいいです。くくらないと開催回数(第62回)を無視した検索結果が表示されるので、最新の情報を見つけにくくなります。
西暦だけではなく年号を加える
という複合キーワードで検索するのであれば、
と年号を入れましょう。学校関連のイベントタイトルには「令和2年度○○大会」といった風に西暦ではなく年号が含まれることが多く、また、Googleの検索システムは西暦(2020年)と年号(令和2年)をまったく別の意味の言葉と捉えていると考えられ、西暦だけで検索すると年号でスケジュールを記載しているページがヒットしにくくなるからです。
以下、注意喚起
Googleを始めとする検索サイトを使ってスケジュール情報を探す場合、一つ気にとめてほしいことがあります。それは詐欺サイトへ誘導されてしまう危険性です。
ここ最近、既存サイトの内容を断片的にコピーし、それらを組み合わせて一つのページにしてネットで公開し、Google経由で詐欺サイトに誘導する犯罪が増えています。
そして、この"既存サイト"には高校演劇に関するものも当てはまります。
例を挙げましょう。

上の画像はある県の地区大会を検索した結果です。ぱっと見、知りたい内容が記載されていそうな印象を受けます。

クリックしてみると、高校演劇を始め様々なジャンルの文章が雑多に並べられているページへ。これは詐欺師が作った"えさ"です。
アクセス後、すぐに強制リダイレクト(他サイトへの転送)がかかり、

iPhoneが当たるチャンスをもらえることに!
もちろん、iPhoneをただでもらえるわけもなく、名前、住所、クレジットカード番号などを送信させられた挙げ句、iPhone云々の話はなかったことになるようです。
この手のサイトを検索結果で目にするパターンはほぼ、
- 検索結果をひたすら掘り下げていった場合
- 期間指定をした場合(24時間以内に更新されたページから検索、など)
のどちらかですね。
Googleはこの手のサイトを評価しないので、検索結果の1ページ目に表示することはありません。大抵、10ページ目ぐらいの一番下辺りに置きます。そのため普通は遭遇しないのですが、地区大会のタイムテーブルなどレアな情報を探そうとすると、いつまでたってもお目当ての情報が掲載されているサイトが見つからないためどんどん深くまで検索していって、最終的に詐欺サイトにたどり着いてしまうというわけです。
RPGでたとえると、お宝を見つけるためにダンジョンの宝箱を片っ端から開けていったら全部空で、最後にミミックが出てくる、そんな感じでしょうか。

おそらくこの手のサイトを仕掛けているのは外国人であり、高校演劇を狙い撃ちにしているわけではありません。彼らは、ありとあらゆるコンテンツをコピーしてそれらを餌に獲物がかかるのを待っているのですが、罠の仕組み上、高校演劇のような情報の少ないジャンルのファンが特に被害に遭いやすいといえます。
被害に遭わないためにはどうすればいいのか。とりあえず、検索結果のタイトルだけで判別するのは難しそう(判別要素は外国のドメインを使っていることが多い、ぐらい)です。だから、うっかりアクセスしてしまうかもしれませんが、今のところ閲覧だけで被害を被ることはないと思われます。
サイトに表示される「アンケートに回答してくれたら高価なものをあげます」だとか「お得な情報を知りたかったらここをクリックしてください」だとか、そんな文面を真に受けて従わず、いったんブラウザを終了させて二度とアクセスしないこと、これが最善の対応です。
ツイッターで検索
- 検索キーワード例『学校名+演劇』 or 当サイトの『演劇部SNSアカウント集』にアクセス
- 情報掲載確率
- 公開スピード
- 情報の詳細度
どんな場合におすすめ?
特定の演劇部の出演情報を知りたいとき。
演劇部(顧問、部員)のツイートが引っかかる可能性があります。特定の学校が何時から上演するのかを調べたい場合に一番期待できますし、文化祭などで行われる自主公演の情報はほぼツイッターを頼るしかありません。
各都道府県の高等学校文化連盟が運営するウェブサイトをチェック
どんな場合におすすめ?
地区大会、県大会の開催日時をできるだけ早く知りたいとき。
演劇連盟と名前が似ていてややこしいんですが、文化連盟は演劇連盟の一つ上の組織です。文化部の元締めって感じでしょうか。大会スケジュールを検索したとき、文化連盟のサイトが上位に表示されることはそんなにないかもしれませんが、実は隠れた穴場。
"年間予定"または"事業計画"といった名前のリンクがあった場合、そこから都道府県大会、ブロック大会の日程がわかる可能性が高く、場合によっては地区大会の日程まで突き止められるかもしれません。年間予定という名前が示す通り、新年度の始まりである春ぐらいには公開されるので見つけられたら予定を立てやすくなりますね。

予定表はPDFやWord、Excelなどのファイルに記載されていることが多く、その場合、専用閲覧ソフトが必要になることもあります(PDFファイルならブラウザで閲覧可能)。
会場の公式ウェブサイトをチェック
- 検索キーワード例『会場名』
- 情報掲載確率
- 公開スピード
- 情報の詳細度
どんな場合におすすめ?
どこをどう探しても情報が出てこないとき。
関係者が大会を秘密集会だと思っているんじゃないかと疑いたくなるほど情報が一切漏れない地域でも、数年前のことなら検索で引っかかることがあります。もし会場名が記されていたら、そこの公式ウェブサイトにアクセスしてイベントスケジュールをチェックしてみてください。地区大会や県大会の会場は常に同じ場所が使われることが多いので、最新の開催日を知ることができるかもしれません。

具体例を挙げると、秋田県児童会館のサイトには「2019年秋田県中央地区大会」のスケジュールが記されています(上記画像の赤い丸のところ)。
ちなみにGoogleを使い、
2019 秋田県 高校演劇 中央地区大会
というキーワードで検索してもこのページは出てきません(おそらく、Googleカレンダーに書き込まれているのがその要因)。
演劇部のページで地域独自の演劇イベントを探す
ほかの探し方と少し目的が違うのであえて分けましたが、学校のサイトに設けられた演劇部のページも公演情報を知るために有用です。
Google検索で"演劇部"と入力してみてください。おそらく、在住地域にある高校の名前が並ぶはずです。Googleは検索者がどこからネットにつないでいるのかを把握していて、その場所に応じた検索結果を表示するようになっているのです。
演劇部のページは、公演予定日を知ることについてはあまり期待できません。しかし、過去に行われたイベント名とその開催時期は記録されている可能性があります。

上のキャプチャは都立足立高校演劇部のページですが、いつ、どのようなイベントに出たのか事細かに記されていて、特に地域独自のイベント名がわかるのがありがたいところ。演劇部はだいたい毎年同じ流れで活動をするので、去年参加したイベントなら今年も出る可能性が高いです。
合わせて、当サイトの『あなたの町の高校演劇 47都道府県 イベント&全地区一覧表』も是非ご活用ください。
探したけどどうしても情報が見つからなかった場合は
さんざん手を尽くしたにもかかわらず、大会のスケジュールがネットのどこにも見当たらないケースもあります。多分、検索した時点でネットに存在しないんでしょう。
ないものはない。
その一言につきます。
どうしても行きたいイベントがある、見たい学校が存在するのであれば、情報を検索するよりもツイッターなどで募った方がいいでしょう。
開催日だけでも知りたいのであれば、去年以前の情報を元に推測することもできます。地区大会はたいてい土日祝祭日に行われる上、多くの地区が「10月の第三週の土日」といった規則に基づいて決めていると考えられるからです。
大会結果に関する情報はどこで探せばいい?
結果を知るにはツイッターでほぼ事足ります。全国どの地域にも必ずといっていいほど高校演劇の愛好家がいて、審査結果が出てすぐ、会場にいる彼らがツイートしてくれるからです。
よって、
https://twitter.com/explore
上記のURLにブラウザでアクセスするか、スマートフォンであればツイッターの公式アプリ、あるいはYahoo!リアルタイム検索のアプリを使い、
都道府県名+大会名+結果
といったキーワードで検索すれば、大会最終日の夜までには確認できるでしょう。
注意したいのは一番上に表示された情報が最新のものとは限らない点。ツイッターの検索結果は「いいね!」やリツイート数が多いものを優先して表示するため、つぶやかれたばかりで「いいね!」を十分に集めていないツイートよりも、古いツイートがトップにくることもあり得ます。つまり、今年の審査結果が記されたツイートよりも、昨年の審査結果が記されたツイートが最初に表示されることもあるのです。
最優秀賞 ○○高校
優秀賞 △△高校
といった感じで、高校名しか書かれていないツイートだと余計に判別しにくいので必ず投稿日時を確認してください。
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